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2016/06/03 かんさい熱視線「極めてなお磨く~剣道八段・最高峰の闘い~」

かんさい熱視線「極めてなお磨く~剣道八段・最高峰の戦い~」 - NHK
http://www4.nhk.or.jp/P2852/x/2016-06-03/21/55547/8207777/
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年に1度、京都で開かれる全日本剣道演武大会。人生をかけて技を磨いてきた達人たちが激突する。最初の一撃で倒す―。その一撃をかわし打ち負かす―。最高峰の戦いに迫る。


 大体の内容は上記リンクに記載されている通りでございます。剣道の京都大会というものが、剣道人口に対して全国に一握りしかいない8段同士の試合があって、非常に注目されているそうです。
 この特集を見て、剣道という競技にカルチャーショックを受けたので、思わずこれ書いてます。

 僕はギリギリ通っていた学校の部活に剣道があって、それに所属する人や傍を通る人から「武具死ぬほど臭い」というあるあるをいただいた以上に、剣道がどういうもんなのか考えたことがなかったのですが、なんと最高段位というものが設定されているそうで、驚きました。8段だってさ。だって、将棋だったら10段くらいあったよね、確か。そしてその上はもう竜王とか棋聖とか大魔王とか死刑囚なわけでしょ。8段って切り悪いし、想像もしてなかった。
 ていうかそもそも触れてないことしかないから、有段者になるためには、昇段するためには、何をしたらいいのかがよくわからん。試合時間は2分だって。ボクシングだって、3分が複数ラウンドあるのに、そりゃ剣道がテレビ中継されないはずだよ。もしくはNHKしか放送しないはずだよ。試合のほとんどが素人目にはわからん心理的な駆け引きと切っ先の動き、足運びだけな上、「打ち込み」が「浅い」とか「深い」という、これまた当事者と経験者にしか判別できないような要素で決着するから、全くエンタメにはならん。
 体育会系TVで剣道対決みたいなことやってたような気がするけど、あれって多分「テレビのワンコーナー」という時間に合ってることと、ある程度素人じみていることから辛うじて見世物になっているのだろうな。
 あと、その試合を(ダイジェストとはいえ)初めて見て、試合が決した瞬間、正直どちらが勝ったかすらもよくわからん。決したのかもわからん。柔道や空手や、もちろんボクシングや総合格闘技と違う。相手が倒れない。と、いうより、どちらかの勝利をアピールするツールでは全くなくて、どちらかというと出場者たちのみが自身でその結果を知るためにしか作られていない。だから「経験者にしかわからん」というよりは、観戦に関しては、多分各自で見る手順というものを紐解いていかないといけないくらい、ものすごくハードルの高いものになっていると思った。

 例えば落語で言えば三遊亭円朝、極真空手で言えば大山倍達、合気道の塩田剛三みたいな感じで、そのジャンルにおける神様のような人に「持田盛二」という人がいるそうです。知ってた?これ。完全初耳だった。ジャズで言えばチャーリー・パーカーとかマイルス・デイヴィスみたいな「いつまでも学ぶところのある存在」みたいなもんか。今まで生きてて、広く浅く適当に雑学を拾ってたつもりだったけど、まだまだ「メジャーなジャンルだけど、何も知らない」というものがあるのだと思った。
 この特集では「89歳まで道場に立ち続けた」ということと、名言らしきことをいくつか紹介するだけで、実際の何が剣聖なのかは教えていただけず。こういう全く関係のないジャンルにおける神がかったエピソードはいくら紹介されても気持ちがいいので、ぜひ聞きたいもんです(本を買うほどじゃない)。

 もうひとつ驚いたこと、「4段から7段まで上がるには、昇段試験を順調に上っていったとしても15年かかる」というところ、7段になって10年経過すると、初めて8段の昇段試験の受験資格を得るそうな。4段までの一般的な年数がどんなもんかわからんけど、仮に今から始めて剣道の天才を発揮しまくって、5年で4段になったとしても、僕が8段の受験資格を得るのは62歳ということになる。ギャフン。もちろん、「普通にやって」ということなら、僕が健康を保っている間に8段に昇格どころか昇段試験に辿り着くのも難しいだろう。当然、8段の昇段試験を受けるもの、有8段者は60歳を越えている。越えているのに異様にシャキシャキしている。当たり前なんだけど、登場人物たちにいちいちインパクトがあった。

 そういう選びに選ばれた「達人たち」は結局「心の成長・そのあり方」というものが剣道の本質であると言われます。ここになんか、ものすごく日本の美的感覚を感じました。日本はしばしば「スピリチュアルなモノ」に毒される・毒されに行くっていうイメージがあるんですが、「筋肉モリモリのマッチョが武具の上からぶん殴って勝利」ではなく、達人になるために年齢制限(46歳以上)すらある、武力を競うものとして矛盾した部分がある競技に、ここまで意味を見いだせて絶やさず育て続けられるのって、すげえなあと思います(日本語の死亡)。結局さ、個人主義とか効率重視とか、成果主義とか、日本人の体質に合わないんだよな。
 なんなのよ、7段から10年の期間がないと昇段試験受けられないってさ。そして、8段に上がった人はことごとく、「剣道とは何か」を見つけてくる。剣道をへて何か得ようと燃えているんですよ。この「無駄」に美しさを見出して、徐々に実体化させていくことって、まさにスピリチュアルなものではないでしょうか。
 「本当のスピリチュアル」ってのは、教祖から霊言をいただくのではなく、「お前たちが霊言聞こえるくらいまでやれ」ということのような気がします。柔道空手とは、似てるようで全く違うのが剣道だと思いました。剣道、やろう!(やったことない)

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