FC2ブログ

晋平太 - Dis Is Respect

晋平太 - Dis Is Respect


01. はじめの一歩 produced by DJ TAIKI
02. FREE STYLE MIND produced byDJ CELORY aka MR.BEATS
03. CHECK YOUR MIC produced by DJ CELORY aka MR.BEATS scratched by DJSHOW
04. 末期症状2015 feat R-指定(Creepy Nuts) produced by DJ TAIKI
05. ラップゴッコ produced by SHIGE from BUZZERBEATS
06. 世間知らず feat J-REXXX produced by BooKEY
07. ペーパートレイル feat R-指定(Creepy Nuts) produced by DJ 松永(Creepy Nuts)
08. NJ~ナゾノジシン~ feat MR Q from RAPPAGARIYA & 呂布カルマ produced by DJ YUTAKA
09. NOMAN NOPERFECT feat SHINO produced by SHIGE from BUZZERBEATS
10. 初期衝動 produced by DJTAIKI
11. 思えば遠くへ来たもんだ produced by SHIMI from BUZZERBEATS
12. 365×10 produced by MICHITA


Check Your Mic


 ちょうどこの作品リリースの直後、MC漢から始まったライブラレコードへのディスっていうか法的な対抗措置に巻き込まれる形(でいいよね)晋平太の名前がヒップホップ界隈に駆け巡りました。つって、僕は9sariのストリームを生で見ているほど時間に融通の利かない生活をしておりますので、当然この件は後追いでございます。大体の内容は以下に書きますけども、詳しくはグーグル准教授にでも尋ねるとよろしいと思いました。
 MC漢は長いことライブラレコードという、有名ヒップホップレーベルに所属して、セールスへの貢献どころかUMBというフリースタイルMCバトルの仕組みづくりに長い間貢献してたんだけども、金銭的な未払いや社員による扱いのひどさに憤慨して脱出、9sariレコードを立ち上げて運営し始め、バトルイベントも立ち上げる。軌道に乗った現在、ライブラに対して諸々の不満について法的措置をし始めたということだそうな。晋平太はUMBの司会や審査員などで関わりが深いため「社員なの?」と漢が質問したら「ちゃいます」と答え、「だったらこっちで立ち上げたイベント手伝ってよ」とお願いすると「UMBの仕事でムリっす」とお断り。しゃあないな、と思ったら後々やっぱり晋平太はライブラの社員であることが発覚して「だったらあのとき言えよ」と胸倉掴んで切れた、というだけの話。
 MC漢という人は、さまざまいる日本のラッパーの中では、本物にアウトローな出自でわりと有名です。アナーキーとか般若くらいしっかりアウトローな感じ。よって、上記の関わりが意味不明であったとしても、ぶち切れたくだりでは「まあ漢だしな」となんか納得がいくのであります。まあそもそもヒップホップ界隈ってこういう、最終的には「ビーフが行き過ぎてうっかり死人orフリースタイル」みたいな雑な結末がとても収まりがいいと思うので、むしろこのイベントは和むくらいだと思った。正直事情を知ったあとまったく興味が高まらなかった。

 こちらのCDですが、とても良かった。アルバムとしてのまとまりがあって、一枚つるっと聴ける気がする。呂布カルマやR-指定みたいな異質さをビシっと放つMCと比べた時、晋平太のリリックはとても優等生的に聞こえてしまう。まあそれが個性だといえる。どれだけお行儀悪くはみ出すそぶりをしていても、この人がラップしたくなるトラックの選定センス自体に無難さを持っているような気がする。

 こういう募集をしているということは、新しいものを求めつつも、自分が手を伸ばす範囲をわりと詳細に示すという危険もあるわけですな。まあ当然個人の名前でアルバム作るんだから、好きなものばっかり並んで、等身大を表現してしまうわな。てことは、海外みたいに作品ごとに外注のプロデューサー雇うのって、作品をよくする上で自然な話なのだと思った。
 そういう晋平太のコントロール下にある作品なので、まとまりはもちろんあるし、手堅く無難であることが価値を上げているとも思う。が、この作品4枚目で、僕は始めてこの作品で晋平太と向かい合ったわけですが、「もしかしたらもう言いたいことが枯れてたりしないだろうか」とちょっと思った。僕は初めて聴くので、アルバム1枚分のセルフボーストや自分語りも飽きずに楽しんで聴けたのだけど、この調子でもう1枚買うかと言われると少し迷う。ほかに聞いてみたいものがあればそちらを優先しそうな気がする。
 アルバムの中では、中盤の「ペーパートレイル」「NJ」のくだりや、「初期衝動」の素直な熱さとトラックが心に刺さる。刺さるんだけど、さんざっぱら「俺のこと」を聴いてきた分、「NJ」におけるQのおふざけ感と呂布カルマのよくも悪くも孤高すぎる視点に、晋平太の優等生的リリックが対比になってようやくアルバム自体を俯瞰で聴くことができた気がした。まあこの「NJ」というワードの発明や、フックの作り方の芯を晋平太が取っていたなら、こういう展開の作り方も含めて「手堅い実力の持ち主」であることは間違いないと思った。
 聴いて損のないラップアルバムだと思うので、おすすめします。

コメント


管理者のみに表示

トラックバック